第16回「塔をたてる」

 

第16回「塔をたてる」 第16回「塔をたてる」
塔は下から建てなければならない。地盤がしっかりしていなければ、それはただの砂上の楼閣。吹けば飛ぶような、ハリボテの城に過ぎない。
ならば、地下から始めよう。
バビロンからパライソへ。積み上げた塔は天上を穿つか、それとも。

劇団肋骨蜜柑同好会が誇る、二人の脚本家が共通テーマで執筆。二つの塔、二つの希望、二つの挫折の物語。

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[第一の塔]
『あるいは現代のフランケンシュタイン』

男が塔を建てたのは、あの子のためだ。
遠い昔に会ったきり、もういなくなったあの子。
夏の思い出、塔の幽霊。

あれから随分と時間がたって、まだ彼の中にはあの子がいる。
彼の中にずっといる彼女は、でももうどこにもいない子。

だから彼は塔を建てたのだ。
人里離れた山奥に背の高い電波塔を。

その塔から発せられる電波は街の人々に降り注ぎ、
見えない踊りを見せ、聞こえない歌を聞かせるのだ。

その踊りを見て、歌を聞くのは彼一人なのかもしれないけれども。

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[第二の塔]
『象牙の塔(がんばったがダメ)』

がんばったけれどダメだったよ。
私はもうずっとここで暮らしている。
愛すべき本に囲まれて、何もわからず、何も残さず。
ひがないちにち、寝て起きて食べてまた眠る。
ただそれだけのイキモノ。
ああ、青よ。青。
お前もひとりぼっちかい。
散歩にでも、いこうか。

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脚本
「あるいは現代のフランケンシュタイン」/ ホトンドケイ素
「象牙の塔(がんばったがダメ)」/ フジタタイセイ
演出
日時
2023年9月16日(土)~19日(火)
会場
新宿眼科画廊 スペース地下
割引
★ タ割り(たわーり)チケット
【2作品セット 5,000円】
タワーの割引です。「塔をたてる」2作品のチケットを同時にお安くご購入いただけます!ご購入は劇団公式チケットフォームからの事前精算のみとなります。(当日適用不可)あらかじめご了承ください。
出演
「あるいは現代のフランケンシュタイン」
小島望
嶋谷佳恵
志賀耕太郎
吉成豊
依乃王里 (箱庭円舞曲)

「象牙の塔(がんばったがダメ)」
藤本悠希
水口昂之
杉田のぞみ
寺園七海 (24/7lavo)
横室彩紀
スタッフ
舞台監督: 里田義年
舞台美術: 海月里ほとり
照明: 少年
音響: 桜義一
宣伝美術: 少年
制作: 劇団肋骨蜜柑同好会
当日運営: 嶋谷佳恵水口昂之
プロデューサー: 山田拓貴
監査: とむ
猫の手: 室田渓人森かなみ吉田覚
企画製作: 肋骨組
協力
合同会社A-ZO Jaya
田瓶市観光協会
24/7lavo
ノックアウト
箱庭円舞曲
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