第19回『怪力乱神ヲ語ラズ』関係者紹介 十四人目 【永田佑衣】

劇団員の室田です。
劇団肋骨蜜柑同好会『怪力乱神ヲ語ラズ』
固定のスタジオに入りまして、実際の舞台セットや道具を搬入し、いよいよ稽古も佳境に入ってきたと実感しています。

今回の作品の舞台は、山間の町、田瓶市の歴史ある学舎「私立星藍女学校」
実際にどこかの学校で使われていたであろう、年期の入った机や椅子が揃うと、それだけで雰囲気が変わります。

学校ってかなり特殊な場所だと思っていて、ストレートで教員になった方は、大学を卒業したと思ったらすぐまた赴任先の学校に舞い戻るという、所謂一般社会をほとんど経験せずに、学校の中で生きていく方もいるでしょう。

そういった特殊でちょびっと閉ざされた場所だからこそ生まれる、独特な人間関係があるのだと思います。
先生にも、生徒にも。

そんな空気感をもっともっと醸していければよいな、などと考えつつ、
今回紹介する方は、何度も肋骨作品に力を貸してくれているこの方。
日本のラジオより『永田佑衣』さん。

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【名前(ふりがな)】
永田佑衣(ながたゆうい)

【所属】
日本のラジオ

【過去の出演作品or関わった作品(3〜5作品ほど)】
スイッチ総研「六本木アートナイトスイッチ2024」
日本のラジオ初夏の本公演「シホウドウセキ」
Mrs.fictions「再生ミセスフィクションズ3」

劇団肋骨蜜柑同好会作品
「ダブルダブルチョコレートパイ」
「2020」
「ジャバウォック」

【「怪力乱神割」の怪しい人、力ある人、乱れた人、神なら自分は何だと思いますか?】
乱れた人

【あなたにとっての呪いとはなんですか?】
帯電した光る玉

【何かメッセージ】
みんなを震え上がらせちゃいたい

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日本刀でスパッと切ったような切れ味ある簡潔な解答。

個人的には永田さんは、怪しい人、力ある人、乱れた人、神、の全ての要素を持っているように思います。
基本的には稽古場では多くを語るタイプではない永田さんですが、その佇まいと芝居感から、こちらに内面を想像させる魅力があると思っていまして、
観る人によっては悲しみに見えたり、また別の人にとっては怒りに見えたり、
もしかしたらそれは、観劇する人個人を映す鏡になっているからかもしれません。
こうして書いていて、なんでそんな風に思うのかは、わたしにはわかりません。
ただただ「すごい」としか言えないのですが。

過去作『ジャバウォック』ではわたしとバディと言いますか、しっかりと関係性のある役柄であったのですが、それ以前から、一本強固な芯がある人という印象で、共演してみてその印象はより深まりました。
かつその芯は、太くてドシンとしているのではなく、細くて滑らかなんですね。
ですから、風に吹かれたりするとそよそよと優しく繊細にたなびくこともできるし、でも千切れたり根っこごと持っていかれたりは決してしない、という。

そんな素敵な芯が、久しぶりにお会いするまでの間に磨かれて、鏡のような要素も兼ね備えたのかもしれません。

なんだかとても抽象的な書き方になってしまっていて申し訳ないのですが、それは技術を技術として感じさせないということでもあるのではないでしょうか。

(※ここからは作品・役柄にも触れていきます)

永田さんの役は私立星藍女学校に通う生徒のひとり。
ひとくちに生徒と言っても色んな子達がいるわけで、それこそクラスや学校をどう捉えているかなんて、ひとりひとり違います。どのような愛着があるのかも、当然違います。

永田さんの役が、どのような目線でクラスメイトたちを見つめているのか、何を思うのか、作中で語られる部分も、そうでない部分も含めて、是非佇まい、一挙動に注目していただけたらと思います。

永田さんだからこそ、とても繊細で、この子の気持ちが知りたくなるような、素敵な役に仕上がっていると思います。

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