夜について@嶋谷

夜は昼より個人的だとおもう。

夜が続くとき、終電で家を出て、夜の街へ繰り出します。
一人でも入れるような居酒屋に入って朝まで安酒を飲む。
もしくは、漫画喫茶へ行って、朝まで漫画を読む。最近やっとゴールデンカムイを読み始めたので、続きを読む。

誰かと一緒なら、そしてあたたかい季節なら、お酒を片手に夜通し歩いて話をします。
夜の空気はなんだか手触りがあるようで、もったりとしていて、まとわりつくような、包まれているような、
そんな感じがするのでちょっと込み入った話もするりとできてしまう、気がします。

一人で夜道を歩くのも好きなのですが、いろいろな事情がありなかなかむずかしいのです。
そこが安全な場所なら、暗闇でずっと音楽を聴きます。
さっき夜の空気のことを書きましたが、夜にきく音というのもなんだか手触りがあるようで
音が小さい粒になって肌の上にずっと残るような、そういうふうにきこえる。
それぞれの音に色がつく感じというか、つかめるというか、そんな気がします。

「眠れぬ夜に、すること」と「眠れぬ夜にする、こと」の境目は曖昧で
そんなことを考えているうちに夜が明けます。
私の夜が明けるときは、たぶん世界の夜が明けるときなのでしょう。

夜の個人的な感じは、演劇の個人的な感じとも似ているなぁ、とまとめたら
結構かなり強引かもしれないのですが、頭の中の大きいひきだしの中で、夜と演劇は同じ場所にいます。
公演まで、あと1ヶ月程ですね。

嶋谷佳恵でした。

次は少年です。(ぎいちさんは……?)

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